「肌のキメが細かい」「キメの整った肌」というフレーズを耳にしたことはあるでしょうか?
「キメ」の状態は美しい素肌を目指す上で、とても重要な条件の一つなのですが、キメが何か具体的にはよく知らないという方も多いことでしょう。
このページでは「キメ」についてお伝えしていきます。
キメとは
キメとは簡単に言えば皮膚の表面についている模様のようなものです。
皮膚をマイクロスコープなどで40倍ほどに拡大してみると、写真のように実は「網目模様」になっています。
この網目状に走っている細かい溝を皮溝(ひこう)と言います。
そして、この皮溝と皮溝に囲まれて三角形のような形に隆起している部分を皮丘(ひきゅう)と言います。
つまり、キメの細かい肌・整った肌とは、皮溝が規則正しく細かい網目を形成し、マスクメロン状になっている肌ということになります。
実際に写真を見てみましょう。
こちらは特殊なシリコンゴムを使ってキメを型取りした、ゴム状のキメの模型です。
理想的な肌をしているとこのように綺麗な網目が型取れます。
【理想的な肌のキメ】
対して、キメが乱れていると、網目が上手く型取れません。
【キメが乱れている肌】
違いがわかりますよね。
肌の美しい方はきちんと網目が整っているのです。
どうしてキメが整っている方が良いの?
◆光の乱反射が起きる
一見、肌に溝があるより何もない方が、ツルンと滑らかになりそうなイメージがありますが、キメがあることによって、様々な角度からの光を乱反射させることができます。実はこの光の反射によって人の肌は美しく見えます。
女優さんやモデルさんに、撮影時に沢山光を当てるのも、より美しく見せるためですね。
◆肌の「五大能力」が活発に働く
人間の体には「自然治癒力」があります。
自然治癒力とは、「心身全体が生まれながらにしてもっているケガや病気を治す力や機能のこと」です。
例えば、体にウイルスが入れば体温を上げること(発熱)によってウイルスを殺そうとするのも一つの自然治癒力と言えますし、傷ができた時にかさぶたを作り、治していくのも自然治癒力の一つです。
自然治癒力と同じように、生まれながらにして備わっている機能が肌にはたくさんあります。
大きく分けると「保水力・油出力・毒素排出力・自然代謝力・起電力」の5つで肌の「五大能力」と呼ばれます。
詳しくはこちら⇒『肌の五大能力とは?』
五大能力が働いている肌は
例えば
・クリームなどがなくても自分の力で乾燥を防ぐことができます。
・ニキビや吹き出物自体ができにくく、できても自分の力で殺菌して治そうとする力が働きます。
このように自分の肌を守る力が備わっていたら、健康な肌が長く保たれると思いませんか?
実はキメが細かい肌ほどこの五大能力がバランス良く活発に働いています。
逆に言えば肌能力が働いているから、キメ細い肌を保つことができるわけです。
実際に写真を見てみましょう。
繰り返すニキビでお悩みのお客様の最初の状態です。
この時のキメを採ってみると…
網目がほとんどなく、線がグチャグチャしていますね。
キメが整っていない=五大能力が上手く機能できていない状態です。
しかし、同じお客様がニキビができにくくなってきた頃には…
キメが網目らしくなってきているのがわかりますか?
二つ並べてみると2枚目はグチャグチャした状態がなくなり、はっきりとした網目が増え始めています。
このようにキメが整っているかいないかは、肌トラブルの現れ方に大きく関わるのです。
つまり、キメは肌の健康のバロメーター。
肌が元々持っている自然治癒力のような力がきちんと発揮できているかを表します。
肌を美しくするにはキメのチェックから
人は誰しも老化をしていくので、当然、年齢とともにキメは見られづらくなっていきます。
しかし、実年齢よりも早くキメの乱れが生じているようであれば、それは「肌トラブル」ということになります。
メイクの仕方やお手入れの仕方によっては、10代・20代の方でも網目が失われている方も少なくありません。
繰り返している肌トラブル、老化のサインが気になったら、まずはこの健康バロメーターである「キメ」を肌質分析で調べてみるところから始めましょう。